中国のワインです。
アオユン(Ao Yun) 2013をテイスティングしました。
アオユンはLVMHグループ傘下のMHDモエヘネシーディアジオ株式会社が有する中国の最高級ワインです。
アオユンは「雲上の飛翔」という意味。
MHDモエヘネシーディアジオ社が手掛ける新プロジェクトでその場所は中国の雲南省。
新しいワイナリーの創生を目的に、雲南省のヒマラヤ山脈の麓、2,200m~2,600mの位置にワイナリーを創設。ボルドーの気候に比較的近く、かつ高山性の気候も持ち合わせているとのこと。
プロジェクトの立ち上げは2008年には進行が開始され、2009年には各メディアが取り上げているようです。
雨は降らずに、冷涼。ゆえにハンギングタイムが長く、通常100~110日程度なものが、この地域では160日に達するようです。今回の2013がファーストヴィンテージとのことで、いろいろすったもんだがあったようなことがデキャンタの記事には書いてあります。読み違えてなければ、一番新しい畑のアドンという所は、電気が通じず手で収穫した、ですとか、中古樽が間に合わず仕方なしに新樽を使った、とかそんな感じです。
畑は314区画にもおよび、合計は30ヘクタール。
植樹は2002年、カベルネソーヴィニヨン90%、カベルネフラン10%のワイン。
かなり投資的な意味合いが強いと思われますが、生産数は2,000ケースほど。
問題はお値段です。
中国の新しいワインですが、その値段34,000円(税抜)です。
■アオユン 2013
WS90点、デキャンタ94点。
香りはミルクのような要素、木質的な香り立ち。
インクのような香りに、ブラックベリー、カシスのような香りもありますが、
どこか青っぽいグリーンノートであったり、ラズベリーのような軽やかさがあるように思います。
なんとなく、メモにはカベルネソーヴィニヨン主体で、カベルネフランっぽい、と書いてありました。
あとから調べると一応、当たっていたっぽいですが、割とカベルネフランっぽいテイストが前に出ているように思います。
味わいはコショウのようなスパイス、カシスやブラックベリー。
インキーさがあるものの、スパイスが強く、また、思ったより果実みのズシッと来る要素が抑え目。
冷涼さによるものなのか、パワー不足なのかは分かりませんが、味わいの後半に行くほど、明るめで軽やかなキャラクターです。
味わいのアフターにはキャラメルやチョコのような甘い要素がのこります。
余韻にはミルクや木質的な印象、コショウのようなスパイス、また葉のようなスモーキーさが残ります。
また、わずかに紫のスミレのような印象もあります。
さて、飲んだ時はなかなか良く出来ていると思いました。
メモを取りながら、感じる要素が多くありました。それゆえ、ほう、なるほど、中国で1万円くらいでこれならいいのかなぁ、南アのワーウィックカベルネフラン(4千円)とかとコスパ勝負かなぁ・・・などと偉そうに上から目線で飲んでメモをしていました。で、家に帰ってお値段調べてビックリ、三万円超えのワインだったわけです。
そうすると評価も変わってまいりまして。
現状ではさすがに若いのか、ポテンシャルが出ていないのかは分かりませんが、3万円級、と言われるとなかなかに割高だと思います。
繰り返しますが、感じる要素は多いです。しかし、尖った、パワフルな感じではないです。
ある意味、無難に、非常にきれいにまとまっています。言葉を良くすれば洗練されたとか言いそうですが、試飲のレベルではそこまでではない気も。中国のワイン自体初ですが、ブラインドで飲んだら確実に中国とは答えないです。
超がつくほどの高地かつ僻地でしょうから運用コストも高くつくのでしょう。
ファーストヴィンテージで一定のレベルまで持ってきているのはさすがの大企業様の実力というのでしょうか。実売価格ですと、要はいきなりオーパスワンが安くなったようなクラスのワインなわけですし、評価されていくのは素人目で見ても10年はかかるような気がします。10年後には価格もどうなるのか想像もつきませんが。
参考になった1本でした。
アオ・ユン[2013](赤ワイン)[Y][tp]
ラベルはかっちょいいと思います。
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アオユン(Ao Yun) 2013をテイスティングしました。
アオユンはLVMHグループ傘下のMHDモエヘネシーディアジオ株式会社が有する中国の最高級ワインです。
アオユンは「雲上の飛翔」という意味。
MHDモエヘネシーディアジオ社が手掛ける新プロジェクトでその場所は中国の雲南省。
新しいワイナリーの創生を目的に、雲南省のヒマラヤ山脈の麓、2,200m~2,600mの位置にワイナリーを創設。ボルドーの気候に比較的近く、かつ高山性の気候も持ち合わせているとのこと。
プロジェクトの立ち上げは2008年には進行が開始され、2009年には各メディアが取り上げているようです。
雨は降らずに、冷涼。ゆえにハンギングタイムが長く、通常100~110日程度なものが、この地域では160日に達するようです。今回の2013がファーストヴィンテージとのことで、いろいろすったもんだがあったようなことがデキャンタの記事には書いてあります。読み違えてなければ、一番新しい畑のアドンという所は、電気が通じず手で収穫した、ですとか、中古樽が間に合わず仕方なしに新樽を使った、とかそんな感じです。
畑は314区画にもおよび、合計は30ヘクタール。
植樹は2002年、カベルネソーヴィニヨン90%、カベルネフラン10%のワイン。
かなり投資的な意味合いが強いと思われますが、生産数は2,000ケースほど。
問題はお値段です。
中国の新しいワインですが、その値段34,000円(税抜)です。
■アオユン 2013
WS90点、デキャンタ94点。
香りはミルクのような要素、木質的な香り立ち。
インクのような香りに、ブラックベリー、カシスのような香りもありますが、
どこか青っぽいグリーンノートであったり、ラズベリーのような軽やかさがあるように思います。
なんとなく、メモにはカベルネソーヴィニヨン主体で、カベルネフランっぽい、と書いてありました。
あとから調べると一応、当たっていたっぽいですが、割とカベルネフランっぽいテイストが前に出ているように思います。
味わいはコショウのようなスパイス、カシスやブラックベリー。
インキーさがあるものの、スパイスが強く、また、思ったより果実みのズシッと来る要素が抑え目。
冷涼さによるものなのか、パワー不足なのかは分かりませんが、味わいの後半に行くほど、明るめで軽やかなキャラクターです。
味わいのアフターにはキャラメルやチョコのような甘い要素がのこります。
余韻にはミルクや木質的な印象、コショウのようなスパイス、また葉のようなスモーキーさが残ります。
また、わずかに紫のスミレのような印象もあります。
さて、飲んだ時はなかなか良く出来ていると思いました。
メモを取りながら、感じる要素が多くありました。それゆえ、ほう、なるほど、中国で1万円くらいでこれならいいのかなぁ、南アのワーウィックカベルネフラン(4千円)とかとコスパ勝負かなぁ・・・などと偉そうに上から目線で飲んでメモをしていました。で、家に帰ってお値段調べてビックリ、三万円超えのワインだったわけです。
そうすると評価も変わってまいりまして。
現状ではさすがに若いのか、ポテンシャルが出ていないのかは分かりませんが、3万円級、と言われるとなかなかに割高だと思います。
繰り返しますが、感じる要素は多いです。しかし、尖った、パワフルな感じではないです。
ある意味、無難に、非常にきれいにまとまっています。言葉を良くすれば洗練されたとか言いそうですが、試飲のレベルではそこまでではない気も。中国のワイン自体初ですが、ブラインドで飲んだら確実に中国とは答えないです。
超がつくほどの高地かつ僻地でしょうから運用コストも高くつくのでしょう。
ファーストヴィンテージで一定のレベルまで持ってきているのはさすがの大企業様の実力というのでしょうか。実売価格ですと、要はいきなりオーパスワンが安くなったようなクラスのワインなわけですし、評価されていくのは素人目で見ても10年はかかるような気がします。10年後には価格もどうなるのか想像もつきませんが。
参考になった1本でした。
アオ・ユン[2013](赤ワイン)[Y][tp]
ラベルはかっちょいいと思います。
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