ワイン好きのKOZEが気になったワイン、飲んだワインを紹介します。
ワインを気軽に楽しく飲もう。
味わいのコメントなどは程々にとらえてお読みください。

2019年06月

南アフリカ ヴィルダーハースト ヴェロ・ブラン 2016をテイスティング

南アフリカのワインです。
ヴィルダーハースト ヴェロ・ブラン 2016をテイスティングしました。

南アフリカ・スワートランド地区の生産者。
設立は2006年ながら、全生産量は16,000本という小さなワイナリー。

自社畑のほかにスワートランド各地から葡萄を購入。
スワートランド・インデペンデント・プロデューサーズ(SIP)のメンバーでもあります。

輸入は2019年から開始。輸入元はマスダ。
参考:ヴィルダーハースト - 南アフリカワイン専門店マスダ


ヴェロシリーズは同社のエントリーレンジ。
コロンバール53%、ヴィオニエ28%、シュナンブラン19%のブレンド。
コロンバールは株仕立て(ブッシュヴァイン)で樹齢が40年。

醸造はコロンバールとシュナンブランを天然発酵でステンレスタンクで6カ月熟成。
ヴィオニエも天然発酵でこちらはフレンチオークを用いて6カ月熟成。


■ヴィルダーハースト ヴェロ・ブラン 2016
D632FBB6-DFC8-4246-A4A9-758BAA93E597



輸入元定価は2,000円。


香りはレモンを思わせる柑橘のイメージ。
小麦のような香ばしい要素を感じます。
砂のようなアーシーさ。ややクリーミーなマヨネーズに近いような酸味を感じます。


口に含むと、レモンのような酸味に小麦のような香ばしい穀類のイメージ
アルゼンチンワインのようなアプローチのように思います。

味わいの後半にややグレープフルーツのような苦い要素が残ります。


余韻は、酸が豊かにあり、レモンやマヨネーズを思わせる酸とクリーミーさを感じます。

親しみやすい路線のワインかと思います。

アルゼンチン的というか、スペインっぽい感じもするかなぁと。
ほんのわずかに甘くてクリーミーなタッチ。活躍の場は広いように思います。
クリーム系のパスタやグラタンなど合いそう。

参考になった試飲でした。


143496486
ヴィルダーハースト ヴェロ・ブラン2016 Wildehurst Vero Blanc【南アフリカワイン】【白ワイン】



Twitter





ボデガス・アスル・イ・ガランサ デシエルト 2016をテイスティング

スペインのワインです。
ボデガス・アスル・イ・ガランサ デシエルト 2016をテイスティングしました。

スペイン北東部ナバーラD.O.に位置するワイナリー。
設立は2000年と比較的新しいワイナリー。同じ醸造学校で学んでいたというマリアとダニエルの両名に、アーティストであるマリアの兄が加わり、3人で設立。

醸造者はブルゴーニュ、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンなどで経験を積んだ経歴。

完全に空気を遮断するステンレスタンクではなく、わずかながら空気を通すという理由でコンクリートタンクを採用。アプローチはナチュラルな栽培方法。収穫は夜間に実施。


デシエルトは同社のフラグシップ。
原産地呼称はナパーラD.O.
ブドウ品種はカベルネソーヴィニヨン100%。樹齢は30年。

発酵はコンクリートタンクでマロラクティック発酵あり。
熟成はフレンチオーク225L~300Lのものを使用し15カ月。新樽は使用しない。




■ボデガス・アスル・イ・ガランサ デシエルト 2016
04440BC6-2750-4D01-A8D7-25FA2B759B8C


輸入元定価は5,800円。

香りは墨汁のような硬質的な香りが主体的。
プラムのような紫の果実みを思わせる香り。
塩みを帯びた香りが感じられます。


口に含むと、プラムやカシスを思わせる果実みのほか、
海を思わせるような塩気を感じます。樽感は比較的穏やか。
また酸も穏やか。墨汁のような硬質的なニュアンスやビターさを感じます。
ボディは中庸でやや軽やか。乾いたタンニンが残りますが、重々しいジャムっぽさはありません。


余韻は長く、墨汁のようなビターさ、海を思わせる塩みが残ります。


スパイス感や酸が穏やかなので、メルローっぽいかなぁ、と思いきやカベソー100%だそうです。
5千円台のスペインワインですが、やや中庸でエレガントな、スマートな、という言葉が似合うタイプ。

ヴィンテージも比較的若いのでもう少し待ちたい印象があります。
参考になった試飲でした。




【6本〜送料無料】デシエルト 2016 アスル イ ガランサ 750ml [赤]Desierto De Azul Y Garanza Bodegas Azul Y Garanza



Twitter




今週のセール・気になったワイン情報まとめ 6月30日分

一年の半分が終わる。


ウメムラさんのロベールグロフィエ シャンボールミュジニー 2017


ロベール・グロフィエ シャンボール・ミュジニー レ・ザムルーズ [2017]750ml

ヴィノス93-95点



ウメムラさんのWA100点 ドミナス 2015


【マグナム瓶】ドミナス Dominus [2015]1500ml【正規品】

正規品マグナム便。
WA100点。




ウメムラさんのシャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン・ブラン 2016


シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン・ブラン [2016]750ml 【2016ボルドー】

ソーヴィニョン・ブラン74%、セミヨン26%。
WA93点、ジェームスサックリング94点。




フィッチさんのテヌータ・サングイド レ・ディフェーゼ 2016


[2016] レ・ディフェーゼ (テヌータ・サングイド)le Difese

2千円台半ば。WA90点。ヴィノス91点。



フィッチさんのシャプティエ エルミタージュ ド・ロレ ブラン 2005


白LOR05:[2005] エルミタージュ "ド・ロレ" ブラン(シャプティエ)Ermitage "l'Oree" Blanc (Chapoutier)

WA99点。正規・並行の記載はありません。




バッコスさんの勝沼醸造 甲州 祝


勝沼醸造 甲州テロワール・セレクション 祝 [2018] 4930520300594【04001】【strw】【日本】【山梨】【白ワイン】【1906】【J12】

何かと使いやすい「祝」ラベル。
山梨県の祝地区の甲州。




ウメムラさんのWA100&ヴィノス100点 ヴュー・シャトー・セルタン 2016


ヴュー・シャトー・セルタン [2016]750ml 【2016ボルドー】

WA100&ヴィノス100点




YANAGIYAさんのWA100点 オベール シャルドネ イーストサイド 2013


オベール シャルドネ "イーストサイド" ルシアンリバーヴァレー [2013] Aubert Eastside

WA100点




YANAGIYAさんのオベール シャルドネ UV−SL 2015


オベール シャルドネ "UV−SL" ソノマコースト [2015] Aubert UV-SL

WA97-100点




古葡萄さんのメオ・カミュゼ ヴォーヌ・ロマネ1er クロ・パラントゥー 2012


[2012] メオ・カミュゼヴォーヌ・ロマネ1er クロ・パラントゥー750ML

一部ラベル汚れ・破れ等ありとのこと。
WA95-97点。




バッコスさんの南ア ブーケンハーツクルーフ・ノーブルレイトハーベスト 2016


ブーケンハーツクルーフ・ノーブルレイトハーベスト [2016] 375ml [箱入り] 2200020020462【60001】【ハーフ】【デザートワイン】【白ワイン】【南アフリカ】【1906】【SA21】

ティムアトキンMW評96点のデザートワイン




フィッチさんの南ア ニュートンジョンソン ファミリーヴィンヤード ピノノワール 2017


FAM:[2017] ニュートン・ジョンソン ファミリー・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール(南アフリカ) Newton Johnson Family Vineyards Pinot Noir

ティムアトキンMW評95点。楽天最安値。



古葡萄さんのエマニュエルルジェ クロパラントゥ 2014


[2014] エマニュエル・ルジェヴォーヌ・ロマネ1er クロ・パラントゥー750ML

入手難。




フィッチさんのシャーヴ エルミタージュルージュ


赤:[2016] エルミタージュ・ルージュ (ジャン・ルイ・シャーヴ)Hermitage Rouge (J. L. Chave)

ボトルのシールから判別するにフィネスさん輸入とみられますが念のためお店にご確認ください。
WA96-98点の高得点。


Twitter




南アフリカ「アタラクシアワインズ」メーカーズディナーに行ってきた

この日は南アフリカの「アタラクシア・ワインズ」のメーカーズディナーに行ってきました。
主催は南アフリカワイン専門店のアフリカーさんにて。



A89E7B03-B16D-40C1-8B0B-8FE18C893DB8


輸入元マスダ社の協力の下、醸造家兼オーナーのケヴィン・グラント氏が来日。
場所は北千住のWINE&DINE Vinogrisさんです

05B5D1F1-0C8D-442D-BE2B-B9A13FEDFDAB


満員御礼。


■アタラクシア・ワインズとは?
南アフリカ・ウォーカーベイのヘメルアンアード地区に位置するワイナリー。
同エリアの老舗「ハミルトンラッセル」で醸造責任者を務めたケヴィン・グラント氏によるオウンレーベル。

限りなく不干渉主義でワインメイクをアプローチ。主要品種はシャルドネ、ピノノワール、ソーヴィニヨンブランなど。ティムアトキンMW評3級。

過去、日本でもシャルドネについて「コントラフォンのムルソーを想起させる」とワインメディアであるワインレポートで評されたことで人気となった生産者。




さて、この日はオーナー兼醸造家のケヴィン氏の来日に伴い、アタラクシアのワイン5種(+α)にペアリングをしようという試み。


アタラクシアのワインとしては
・ソーヴィニヨンブラン
・シャルドネ
・ヘルタースケルターピノノワール
・セレニティ
・ピノノワール(フラグシップ版)
の5種です。+αは他のワイナリーのものだったので後ほど。


6A26D5F5-9970-4832-8F40-2D151B63B2F5


まずは、冒頭にアタラクシアのオーナーであるケヴィン氏がざざっとワイナリーの解説。


なによりもアタラクシアが大切にしていること。
これは同日に行われた試飲会でも全くおなじことを言っていたので、同ワイナリーで重要度が極めて高い点なのでしょう。



AA8A99FC-5101-4C6B-88CC-CF9101E6EE8F


まず、南アフリカのワイン造りについて。

過去、ハミルトンラッセルの醸造責任者を務めていたというケヴィン氏ですが、近年の南アフリカのワインは昔と比べると非常に多様性が出てきたということを語っていました。


それに合わせてアタラクシアのワイナリーの魅力の一つ。これは立地。海に恵まれた冷涼な土地であること。
そして、古い土壌。南アフリカ自体が氷河期を逃れたエリアということもあり、氷河が溶け土壌が海に流されるということが「なかった」エリア。つまり、土壌は古いものは10億年以上のものまでさかのぼる。アタラクシアは砂岩、花崗岩、頁岩など含め14ものの土壌で構成。よって、この地の「土」をいかに表現するかに重きを置いているということです。



自身のことをテロワールという言葉と重ねて「テロワリスト」もしくは「テロワールリスト」と表現するケヴィン氏。
※厳密には「terroiriste's」とアタラクシア自体が表記しているのですが、その場のフォローとして、「テロリストと表記がややこしいので、テロワリスト、もしくはテロワールリストとカタカナでは言うのが相応でしょう、とのこと…」

複数もつ土壌の中で、主要である二つの土壌に合わせてそれに合わせた葡萄の品種を植え表現を行うスタイル。


土壌のポイントとなるものは大きく二つ。

一つはテーブルマウンテンサンドストーン。
砂岩質で水はけが良い。ここに植えるのはソーヴィニヨンブラン。
もう一つの土壌はボックヴェルドクレイソイルズ。頁岩土壌で粘土質、石の混ざった肥沃な土壌。シャルドネとピノノワールを植樹。

ちなみに前述の通り冷涼な土地なので、カベルネソーヴィニヨンなどはアタラクシアでは向かないと判断して植樹していないとのこと。


畑の管理はほぼすべて自分で行っていて、アシスタントは持たない。
テロワールリストと表現するのはここから。土を表現する農家の様なイメージと思って欲しいとのこと。


スタイルは新世界のようでもあり旧世界のようでもあるワイン。
ただ、どの国といわれても具体的なものは設けてはいない。



1FC89BC1-4182-4C00-AA6B-1D5EB804D77D


概略はこんな感じで、さて、お料理です。開催されたイタリアンであるWINE&DINE Vinogrisさんの計らいで、
この日は南アフリカ料理をアレンジしたメニューを展開。

南アに行った気分になれるぜ!って感じですね。ありがたいです。

お料理もペアリングがメインで、このワインにはこの料理を合わせよう、という考えでやってくれてるらしいです。
ワインは個別に記事にしますので、ここではお料理とペアリングを。


5FE1D6EC-C6D7-45DE-A9EB-4BACE1177B37


2種のブルボス。ブルボスは現地の言葉で「農家のソーセージ」
これに+季節のお野菜。ソースは春菊で作ったというジェノベーゼ。


EB0AD57D-21BB-415B-B884-6A296CA09EFE


合わせるのはソーヴィニヨンブラン。
どこかニュージーランド的なイメージのやわらかいタイプのワイン。

もはやソーヴィニヨンブランと言えばアスパラ、的な発想でアスパラが添えてありましたが、なるほど美味しいですね。

ブルボス(ソーセージ的なもの)にはオレンジピールが入っているそうです。
また、燻製上にすることでスパイシーで薫り高い味わいに仕上げているとのこと。これも美味しい。



011BB8C6-6D62-46F6-8BED-A96CEEBB7903


続いては、シャルドネ。「パップ」と呼ばれる現地のお料理。
トウモロコシを練った、現地の食べもの。輸入元さん曰く、「現地で食べるものとしては決してうまいものではない(笑)」とのこと。

しかしまぁ、お店が良くアレンジしてくれています。おいしい。
上に乗っているのがいわゆる「パップ」。これにズワイガニのソースをたっぷりと。


F1CE6469-522A-4808-80A5-37DFB03550E9


シャルドネは同社のフラグシップ白。
石のようなキャラクター、樽が効いていてコーンや塩気を帯びた肉付きの良いワイン。
こちらのパップによく合っていました。



だんだん気分もよくなってきたところで、ここでケヴィン氏に一つ質問。

Q.シャルドネもソーヴィニヨンブランもめっちゃうまい。さきほど、土を表現する、とは聞いたが、それでも何か目標、お手本としている生産者などはあるのか?

A.シャルドネだけを切り取れば、インスピレーションはブルゴーニュに近いと思う。

先ほどのソーヴィニヨンブランはニュージーランドのような新世界と仏のような旧世界の間。
シャルドネはややフランスのような旧世界的。いずれも土壌と品種の最良な組み合わせで自然とこうなっている。

でもあくまでも「テロワールリスト」であるから、縛られないようにしている。
例えば、ラベル一つをとっても、村名・畑名などを大きく書くつもりはない。そういった先入観を前に出したくないから。さらには品種名も控えめに書いている。


なるほどなぁ。アタラクシアのオークタイプの白、ってくらいで考えたほうがよさそうですね。



8CFE5D14-C16E-4C20-83EC-FF17F92CD896


次いでのお料理は自家製ブルトンとハムの盛り合わせ。
ブルトン=ビーフジャーキーのようですね。植民地時代の名残で南アでは保存食となるものが発展した歴史があるようです。


05A5587E-D1C2-479F-8C87-37A3EFC4CF02


合わせるワインはヘルタースケルター。
こちらはフラグシップのピノノワールと同じエリアで若い木を用いたというピノノワール。
ワインのテーマは忙しさを忘れるような、一言で言えば「休息」としたワイン。実際の値段も3千円弱とお値打ち。お買い求めはアフリカーさんでどうぞ。

木苺やチェリーのような果実味のほか、古樽のイメージ、紅茶、キノコなど、中庸でしっとりしたタイプのワイン。ボーヌスタイルですね。

お料理では、鴨にアールグレイ(紅茶)のスモークをかけたものが出てきましたが、ワインによく合っていました。





8A78C75C-49C5-4B22-AEF5-6B0FCE72B489


続いては子羊のボボティ。ボボティって南アの肉のスパイス煮込み。
ミートソース的とかハンバーグとかに近い感じで、どこかカレーみたいなスパイス感が立っています。
それをらせん状のパスタ(フジッリでしたっけ)と合わせています。


DBFF82BF-EBAB-4356-B79C-AB6C3648A7CA


合わせるのはセレニティというワイン。
ピノタージュ×ピノノワール×サンソーのブレンド。
セレニティというワインのテーマは日本語で言う「ささやく」という意味とのこと。
※ケヴィン氏、ここは強調して日本語で「ささやく!」と何度も言ってました。


ピノタージュというと、肉付きの良いものが多くありますが、こちらはピノノワール、サンソーをブレンドしていることから、中庸で飲み口はスルスルッと入るスタイル。

前々からピノタージュという品種はトマトとかコーヒーとかそういう要素が感じられて、個人的にはこういうミートソースとかトマトソースを良く合うと思っています。おいしい。





34DCCF8E-3F74-4017-B504-3D1BF4107D02


最後はブラーイと呼ばれる南アの、要はバーベキュー。
沖縄産の黒毛和牛のローストということで、これもピノノワールのワインに合わせてキノコが添えてあります。

E85FF8A4-1166-47F4-BB72-EA7297AE7DAF


肉分厚いっす。


8E6E7324-6457-48D6-A140-F21B344BA190


フラグシップのピノはより鉄のような硬質的なミネラル感が。
お料理の工夫としてはそもそもピノノワールと肉は合うもの、と考えていて、肉の重さはソースによる影響度が大きいと考えている。よって、ポートワインのソースを使うことでよりワインと合うように仕立てた、とのこと。


続いてワインとしては、年々新樽の比率は抑えてきているようです。
シルキーな、エレガントなワインメイクを心掛けているようで、しいて言えばヴォルネイやシャンボールミュジニーをイメージするような優しいスタイル。
ポマールやジュヴレシャンベルタンのような力強いタイプとは違うよね、とのこと。



ここまでがアタラクシアのパート。




0DD5BC77-7454-4FD0-9960-AE9B92EA0D84



9AFD7CEB-759D-43B3-8D7E-5554D3A5B0BD



で、アフリカーの店主が現地から持ってきたドメーヌ・デ・デューのワインが最後に出てきました。このワイン、アフリカーさんの自社輸入ワインなんですが、なんでまた急に自社輸入ワインぶっこんできた?と思いきや、現在はドメーヌデデューのコンサルをまさにケヴィン氏が行っているようです。

・・・が、まさかの「近年のものからケヴィン氏が関与している」とのことで、このヴィンテージは全く関係ないとのこと。残念。よって、このワインは省いて個別に記事にします。




さて、せっかく来日されているということで色々聞きたいぞ。
毎度のことながら、いくつか質問を投げてみました。

Q.16年、17年とすごく良いワインの出来ではと思っている。16~18年それぞれのヴィンテージはどんな感じだったか教えてほしい。

A.この三年は端的に言えば「似ている」。いずれもドライ(乾燥)なヴィンテージ。
いくつかのエリアはこの暑さで非常に苦労したが、ウォーカーベイは海の影響もあってうまくまとめることも出来た。
いずれも果実みがしっかりと出ている。16年が好き、という人は17年も好きだし、おそらく18年も同じように気に入ってもらえるはず。



Q.赤の「セレニティ」でピノタージュを使っているが、最近南アフリカではいろんなアプローチのピノタージュが見て取れる。ケヴィンさんにとって「ピノタージュ」はどういうアプローチを行うべき品種か?
A.ピノタージュというと、過去、スワートランド、ステレンボッシュでカベルネソーヴィニヨンやシラーズとおなじようなくくりで暑い産地で作られていた品種だ。私としては本来冷涼な産地、たとえばウォーカーベイやエルギンには向いている品種だと思っている。
(話の中で、デイヴィッドナディアやBヴィントナーズなどの名前が出た)


余談ですが、これ南アのジュリアンスカール氏が2年位前に来日したときに、同じ質問を投げています。当時、ジュリアンスカール氏は逆の考え方でして、ジュリアンスカール氏は「あくまでも自分の一意見として」と断りを入れた中で、ピノタージュは果実味を前面に出すべき品種、としていました。生産者によるこの違いは面白いですね。


Q.新しい生産者が南アでは多く出てきている。ここに付随して、スワートランドのあたらしい生産者(SIP)はどのように見えているか?
A.いろいろな試みをしているね。強いて言えば、だが、彼らはブドウも厳密にはスワートランドの外のエリアから供給をしているし、オールドヴァイン(古木)を用いたりと、その表現方法は様々で生産者によっても違ってチャレンジをしている。

アタラクシアはどうか、と言われれば、メッセージとしては一貫している。最良な土壌とそれに合った品種、というアプローチを貫いている。


Q.「セレニティ」は過去は今と異なるヴィンテージだったと記憶している。いまのブレンド(ピノタージュが約半分、サンソー、ピノノワールで25%程度ずつ)に落ち着いた理由は?
A.このブレンドは南アフリカのワインの象徴的なもの。ピノタージュを主体としているのは「南アフリカらしさ」を表現したいから。

16年のヴィンテージの比率(ピノタージュ50%、サンソー25%、ピノノワール25%)はその年はその比率が最適だったからで、17年ヴィンテージはまた少し違う。ピノタージュが48%など。

比率を変更することで、より「ささやく」感じが表現できてると思っている。



Q.ところで、今作っている品種以外のもの、ピノタージュ単一などのワインを作るつもりはないか?
A.それはハッキリと「NO」だね。土壌にあった品種、という観点から。24ヘクタールという土地の問題もあるし、品種を絞ると言うことはなにかを削ると言うこと。現状はいまのバランスが最適だと思っている。



などなど。正直もっとラフなことを聞こうかな~とか思ってたのですが、すげえ実直に答えが返ってくるのでついつい楽しくなってしまいました。

余談ですが、輸出先としては日本は上位になるそうですよ。


話のところどころで出てきていますが、アタラクシアのワインとしては
あくまでも土地を表現する
その土地に合った品種と栽培面積、そしてアプローチ
という部分が軸にあるという点は変わり無さそう。

ある意味、ヘンテコな奇をてらった路線ではなく、南アのお手本的な立ち位置にあるワインとみるのがよさそうです。価格についても妙なカルト化はしてないですし、今後さらに注目度は上がってくるでしょう。


622FB2A5-0BB0-4B0E-8BB6-2ADC126FD0B9


ケヴィンさん、話は真面目なのですが、めっちゃ紳士的な方でした。
あまりにもこちらがちょいちょい「もう一個質問いいか」と聞きに行ったので「おう!また来たか!いいぞここに座れ!!」という勢いで接してくれたのはありがたかったです。


ということで、また来年も来てね。

主催のアフリカーさんありがとうございました。



■会場:WINE & DINE Vinogris


〒120-0036 東京都足立区千住仲町31−6
03-6806-2037
インスタ:https://www.instagram.com/vinogris_2018



■主催:リカーショップアフリカー

南アフリカワイン通販のアフリカー




Twitter




ホリックで南アフリカ ストームワインズ イグニス ピノノワール 2016を販売中

楽天内のワインホリックさんで南アフリカ ストームワインズ イグニス ピノノワール 2016を販売中です


ストーム・ワインズ / イグニス・ピノ・ノワール [2017]【赤ワイン】

ウォーカーベイ・ヘメル・アン・アードの生産者。元ハミルトンラッセルの醸造家ハネスストーム氏によるオウンレーベル。ピノノワールは3種で単一畑のイグニス、リッジ、フレダ。

イグニスはティムアトキンMW96点で最も希少。
ティムアトキンMWサウス・アフリカ・レポートでは前年の2016年を「シャンボールミュジニー1erのよう」と評価していました。2017年は、仏のどこそこ、という具体的な表記はされていません。

ちなみに輸入元も変更になります。ホリックさん販売分はラフィネ輸入。
ご紹介でした。
おすすめ記事一覧
  • 「南アフリカのワイン」が凄いのでまとめてみた
  • ワインのおすすめはこれだ!一度は飲みたい2,000円台のワインまとめ
  • 「ワイン一年生」という本が面白い!ワイン初心者はこれを読め!!
  • 女子会に使える!甘くて飲みやすい白ワイン&スパークリングワイン
  • ボジョレーヌーボーよりこれを買え!2千円で世界感が変わるおすすめワイン
  • ティムアトキンMWの南アフリカワイン格付け2016が発表。15ワイナリーが「第1級」の評価。
  • ワインのおすすめは「南アフリカ」にあり!いますぐ飲むべきおすすめワイン5選
  • 黒人醸造家が手掛ける上質赤ワイン!南アフリカワイン アスリナ ウムササネ アフリカー[PR]
  • 夏だから飲みたい!3千円台で飲める週末おすすめの白ワイン決定版
  • サントリー「日本ワイン×日本料理」ブロガーイベントに参加しました
  • 【大阪】ワインを大阪一安く飲む方法を伝授する【試飲】
  • これぞ南アフリカワインのエレガント!?デイビッド&ナディア アリスタルゴス[PR]
  • ビジネスマンが選ぶべき、接待・贈答用におすすめのワイン銘柄とは
  • クリスマスに飲むべき!1万円未満の本気で美味い赤ワイン
  • 南アフリカのワイン会に参加して感銘を受けた話
  • 極上の味わい!甘口ワインの代表「デザートワイン」のおすすめ銘柄
  • 甘いものが苦手な彼に!バレンタインのプレゼント向けワインまとめ
  • amazonが高級ワインの品揃えを強化
  • カルディの甘口ワインは【これ1本】できまり!女子におすすめのワイン銘柄とは
  • 雑感:日本酒飲み比べ居酒屋から見る「ワイン」の見せ方とは
  • 【5分で選べる】母の日のプレゼントに使える!おすすめのワイン
  • 送別会・退職祝いのプレゼントに使えるワイン5選
  • まだ注文に時間を消耗してるの?高級レストランのワインの頼み方
  • マツコがディズニーシーで飲んだ「バラのスパークリングワイン」とは
  • 甘口ワインのおすすめはこれだ!ワインビギナーのための2千円以下の甘口ワイン3本
  • 南アフリカトップワイナリー ブーケンハーツクルーフ マークケント氏来日セミナーに行ってきた
  • 【東京】南アフリカワインの凄い店「アフリカー」実店舗に行ってきた
  • 大阪梅田「コウハク」でフレンチおでんとワインが美味い!絶対に試すべき料理とワインのすすめ
  • 女子必見!男性へのプレゼントにおすすめしたいワイン銘柄とは
  • 【超おすすめ】ワイングラスに「ダイソーの『うすぐらす』」をおすすめしたいその理由
  • 【ワイン】プロフェッショナル仕事の流儀に登場 日本人ブルゴーニュ醸造家 仲田晃司氏が手がける 「ルー・デュモン」とは
  • Twitter プロフィール
    KOZEのワインブログ管理人 / 読みは「こぜ」/ フォロバはしません / 南アフリカワイン / ギリシャワイン / スペインワイン / ブログ運営
    何か掲載内容に問題あればメールでも承ります。

    kozewine@gmail.com

    @は小文字に変換ください
    個人的なワインに関する質問、ご相談などはお受けいたしかねます。また、メールの確認頻度はTwitterなどに比べ落としていますので、レスポンスにお時間かかることがございます。ご了承くださいませ。


    記事検索
    カテゴリー
    ギャラリー
    • 4千円台までWA高得点ワインまとめ
    • 4千円台までWA高得点ワインまとめ
    • 4千円台までWA高得点ワインまとめ
    • 4千円台までWA高得点ワインまとめ
    • 4千円台までWA高得点ワインまとめ
    • 本日のセール・気になったワイン情報まとめ 1月18日分
    • 本日のセール・気になったワイン情報まとめ 1月18日分
    • 本日のセール・気になったワイン情報まとめ 1月18日分
    • 本日のセール・気になったワイン情報まとめ 1月17日分
    アーカイブ
    • ライブドアブログ