ワイン好きのKOZEが気になったワイン、飲んだワインを紹介します。
ワインを気軽に楽しく飲もう。
味わいのコメントなどは程々にとらえてお読みください。

南アフリカ リチャード カーショウ エルギン シラー クローナル セレクション 2019をテイスティング

南アフリカのワインです。
リチャード カーショウ エルギン シラー クローナル セレクション 2019をテイスティングしました。

リチャード・カーショウ・ワインズは、2012年に南アフリカの冷涼な産地エルギン地区で設立されたワイナリー。オーナーのリチャード・カーショウ氏はイギリス出身で、元シェフという異色の経歴を持つマスター・オブ・ワイン(2016年時点で世界に340人)であり、その中でも自らワイン造りを行っている希少な存在。

畑は標高が高く、海に近いため霧や寒暖差の影響を受けることで、凝縮した果実味と綺麗な酸を持つブドウが収穫できる。

人的介入を最小限に抑え、テロワールを最大限に表現した洗練されたワインを生産。生産量は少なく、それぞれのボトルには個別の番号が振られている。

こちらのシラーは醗酵は天然酵母のみで開放槽による主醗酵後、オーク樽にてMLF。熟成は仏産オーク樽で17カ月(新樽比率45%、228L&500L)

■リチャード カーショウ エルギン シラー クローナル セレクション 2019
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うまい。

色調はガーネットで、エッジにわずかにオレンジ。
若干、熟成感が出始めている印象で落ち着いた色合い。

香りにはスミレや毛皮のような動物的なニュアンスに加え、シャボンのようなフローラルでソフトな印象もあります。ムワッと広がる獣っぽさや、セリのような青いニュアンス、さらに木質的な香りやほこりっぽさが重なり、複雑で奥行きのあるアロマ。
有名店のソムリエは「コルナスっぽい」といっていましたがまさにその通りで、力強く野性的な香り。

味わいはムスクやプラムのような濃厚な果実感に、毛皮のような動物的なニュアンスが共存。さらに皮製品やバターのようなリッチで滑らかな印象があり、そこに木樽やほこりっぽさが加わることで、複雑な味わいに仕上がっている。どことなくボルドー的な重厚さも感じられるが、果実味と動物的なニュアンスがしっかりと融合している。

余韻は短めながら、ほこりや革製品のようなニュアンスが残る。最後にプラムやスミレのような香りが再び広がり、落ち着いた余韻が心地よい。

全体的にピノノワールっぽいエレガンスもありつつ、コルナスを思わせるパワフルで動物的な側面も強く感じられる一本。1万円級にふさわしい完成度で、熟成のポテンシャルも感じる。とても好印象な試飲でした。


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リチャード カーショウ エルギン シラー クローナル セレクション 2019 Richard Kershaw Elgin Syrah Clonal Selection【南アフリカワイン】【赤ワイン】


アフリカー。

エラスリス マックス・レゼルヴァ カルメネール 2019をテイスティング

チリのワインです。
エラスリス マックス・レゼルヴァ カルメネール 2019をテイスティングしました。

エラスリスは1870年に創立され、2020年に150周年を迎えたチリ最高峰のワイナリー。アコンカグア・ヴァレーの冷涼なテロワールに自社畑を持ち、凝縮感とエレガンスを兼ね備えた高品質なワインを生産。2004年のベルリン・テイスティングでフランスの5大シャトーやオーパス・ワンを破る快挙を達成し、チリワインの評価を大きく向上させた。

オーナーのエデュアルド・チャドウィック氏はワインへの情熱を持つ家系に生まれ、1983年にエラスリスに入社。世界各地で学んだ技術を取り入れ、エラスリスを国際的なトップワイナリーへと成長させた。2008年には「インターナショナル・ワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2018年には『デキャンタ』誌で「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出。現在もチリワインの親善大使として広く活躍中。

本日はマックス・レゼルヴァ カルメネール 2019です。

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3,245円(税込)

香りは青い香りが前面に出ており、ピーマンやカシス、プラムのような果実感がしっかりと感じられます。さらに、土っぽさやローストした香りも強めで、全体的に青みがかったニュアンスが際立っています。「かなりピーマン感があるな」と思わせるような、典型的なカベルネフランやカルメネールらしい香りです。(実際はカルメネール85%、シラー11%、プティ・ヴェルド4%)

味わいはミルクコーヒーのようなクリーミーで甘やかなニュアンスが印象的。小岩井ミルクを思わせるような、甘みと滑らかさが口に広がります。それに加えて、青みや土っぽさ、そしてチリワイン特有のいかにもな香りが強く感じられます。この「青くて土っぽい」感じは、同じチリの「コヤムワイン」などでも同様のスタイルに感じます。

余韻はそれほど長くはないものの、青みや土っぽさが心地よく残ります。カシスやピーマンのニュアンスが最後まで感じられ、しっかりしたストラクチャーがある。

全体として、典型的なチリのカルメネールのスタイルを踏襲しており、価格を考えると非常にコスパが良いワイン。個性がはっきりしていて、青さや土っぽさを楽しむにはぴったりな一本。チリらしい力強さと柔らかさが同居したバランスの良さが光るワインです。


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南アフリカ ティーフック レッド 2019をテイスティング

南アフリカのワインです。
ティーフック レッド 2019をテイスティングしました。

ティーフック(Tierhoek)は「豹のいる場所」という意味を持つワイナリー。南アフリカ・オリファンツリバー南部に位置し、冷涼な大西洋から30km、標高760mの高地に畑を所有。年間降水量は500mmで、冬の長雨で土壌に十分な水分が蓄えられる。夏は午後に大西洋からの冷たい風が吹き、昼夜の寒暖差がブドウの成熟をゆっくりと進め、凝縮感のある果実味を生み出す。

土壌は風化した砂岩で排水性が良く、ブドウが深く根を伸ばすことでミネラルが凝縮。2001年にトニーとシェリー夫妻が購入し、放置されていた樹齢30年のシュナン・ブランの樹を修復。トニー氏の他界後はシェリー氏がオーナーとして経営を引き継ぎ、伝統を守りながら高品質なワインを造り続けている。

グルナッシュ49%、シラーズ32%、ムールヴェードル19%のブレンド。
オーガニック農業。早朝の涼しい時間に収穫。グルナッシュは、灌漑無しのブッシュヴァイン(株仕立て)で西向きの温かい斜面の畑。シラーとムールヴェードルは、北西向きの両品種に向いた斜面の畑。土壌は砂岩で、ブドウに熟したタンニンを与える。収穫後は、それぞれにオープンタンクやフレンチオークの古樽で発酵、マロラクティック発酵を経て12ヵ月熟成。ブレンドして瓶詰。

こちらのワインは過去に水天宮前 a2 by アフリカーさんの実店舗で有料テイスティングをしています。

■ティーフック レッド 2019
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定価 2,700円(税込2,970円)
販売価格 2,300円(税込2,530円)

色調は若干茶がかったルビーレッド。透明感がありつつも、エッジにオレンジや茶色が入っており、ネッビオーロを思わせるような熟成感を感じさせる色合い。

香りにはチェリーやスミレの華やかな果実感とフローラルな印象が広がります。そこに毛皮やローストしたコーヒーのような香ばしいニュアンスが加わり、複雑で奥行きのある香りに仕上がっています。さらに、酸化熟成のようなムワッとした香りもあり、熟成による落ち着きと深みが感じられます。

味わいにはチェリーやコーヒーのような果実味と苦味がバランス良く感じられます。酸は比較的しっかりとあり、熟成による落ち着きもあるが、果実味の存在感も残っています。後味には毛皮のような動物的なニュアンスや若干の塩味がアクセントとなり、味わいに奥行きを与えています。全体的に南部ローヌの熟成が進んだワインのような印象。

余韻は比較的短めで、果実の甘みと毛皮やロースト香がほんのりと残ります。

熟成が進んだ印象があるため、もう少し早飲みでも良かったかもしれませんが、ボトルの状態にもよるかもしれません。個人的には今がピークに近い印象。状態によってはこれ以上の熟成はあまり期待できない可能性もあり。参考になった試飲でした。


ティーフック レッド 2019 Tierhoek Red 【南アフリカワイン】【赤ワイン】




アフリカーさんで試飲しました



■店舗名
a2 by af-liquor

■住所
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目6−8 日本橋KSビル 1階

■定休日
月曜日


Twitter






ノヴム ピノ・ノワール ニュージーランド 2023をテイスティング

ニュージーランドのワインです。
ノヴム ピノ・ノワール ニュージーランド 2023をテイスティングしました。

ノヴム(Novum)は、ウィルとレイチェル夫妻が極少量生産でリリースするニュージーランドのワイナリー。ウィルの父親は1977年にマールボロで広大なヴィンヤードを取得し、クラウディーベイの初期にブドウを供給。現在はウィルが40ヘクタールの畑を引き継ぎ、他のワイナリーに高品質なブドウを供給しつつ、自身のワイン造りも行っている。

自社ワインは、ヴィンヤード内でも特に秀逸なスイートスポットから厳選したブドウのみを使用。この徹底した選別へのこだわりがノヴムの哲学。ウィルは「フロム」でキャリアをスタートし、「オー・ボン・クリマ」でジム・クレネデンに5ヴィンテージにわたって師事。2020年ヴィンテージはNZ国内で即完売するほどの人気を誇る。2019年ヴィンテージから日本への正規輸入が開始され、国内でも注目を集めている。

ノヴム ピノ・ノワール ニュージーランド 2023は
発酵を始める前に約5日間、果皮と一緒に置かれ、野生酵母による発酵を開始。発酵中は軽く1日1回ポンプオーバーを行い、果皮と一緒に35日以上置かれた後、樽で12ヶ月間熟成。樽ごとの個性と質を見極めてブレンドし、ボトリング。

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香りは全房感が全面に出ており、紅茶葉やチェリーのニュアンスがしっかりと感じられます。紅茶のようなスモーキーさと果実のフレッシュな香りが重なり、奥行きがあります。華やかさというよりは落ち着いた印象で、果実香とハーブのようなスパイシーさが絶妙なバランス。

味わいはドライで、タンニンは中程度。紅茶感が強く、果実味は控えめながら、しっかりとした骨格があります。ドイツのバーデンのような繊細さがあるものの、マッシュルームのような土っぽさがなく、ニュージーランドらしいクリーンな仕上がり。果実味は控えめですが、ストラクチャーがしっかりしており、タニックなスタイル。

余韻は短めで、ほろ苦い紅茶のニュアンスが残ります。派手さはないものの、渋みと果実味がバランスよく感じられます。

還元的なニュアンスも若干あり、スクリューキャップのワインらしさが出ています。全体的にスムーズで、紅茶の香りやタニックな要素が印象的なワイン。ピュアな果実味を求めるタイプではないですが、渋みやスパイシーさを楽しむにはぴったりな一本かとと思います。


【ニュージーランドワイン】【赤ワイン】ノヴム マールボロ ピノ・ノワール 2023[フルボディ]

麦ちゃん評価4.3点。

南アフリカ コンスタンシア・エイトサッフ ソーヴィニヨンブラン 2022をテイスティング

南アフリカのワインです。
コンスタンシア・エイトサッフ ソーヴィニヨンブラン 2022をテイスティングしました。

コンスタンシア・エイトサッフ(Constantia Uitsig)は、南アフリカ・コンスタンシア地区に位置し、1685年にオランダ人総督サイモン・ファン・デル・ステルが創設。ナポレオンやルイ16世にも愛された歴史あるワインを生産。1800年代にフィロキセラや政治的不安で衰退したが、接ぎ木技術で回復。1988年にマッケイ氏が購入し、現在の体制に。

畑はフォールス湾からの海風が吹く冷涼な気候にあり、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネを中心に栽培。17ヘクタールの畑でサスティナブル農法を採用し、殺虫剤を使用せずに環境に配慮。

醸造は最新設備を備えた300トン規模のセラーで行われ、ワインメーカーのダニエル・ケルダー氏が伝統と革新を融合したスタイルを確立。CSR活動にも積極的で、奨学金支援や失業対策、野生動物の保護など地域社会への貢献も重視。伝統と持続可能性を両立したワイナリー。

コンスタンシア・エイトサッフ ソーヴィニヨンブラン 2022は自社畑のブドウ。手摘みで収穫され、破砕、除梗され、一晩果皮と共に寝かす。発酵はメインはステンレスタンクで行い、一部はコンクリートタンクを使用。そのまま澱と共に3か月間寝かせられ、ブレンド&瓶詰。

こちらのワインは過去に水天宮前 a2 by アフリカーさんの実店舗で有料テイスティングをしています。

■コンスタンシア・エイトサッフ ソーヴィニヨンブラン 2022
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香りは洋梨やメロンのようなふくよかな果実感。
そこに青草やハーブのような爽やかなニュアンスが重なり、フルーティーさとグリーンな香りがバランス良く感じられます。

味わいにはスパイシーさが感じられ、白ネギや青草のような香味が主体。果実味はしっかりとありつつ、単調ではなく、適度なスパイス感が味わいを引き締めています。ややシュナン・ブランを思わせるような肉厚さもあり、日照量が多そうな環境で育ったソーヴィニヨン・ブランらしい力強さが感じられます。酸は穏やかで、バランスが良く、シャープすぎない飲み口。

余韻は短めながら、白ネギやスパイス、青草のような香りが最後まで残ります。派手さはないものの、しっかりとした印象を与える後味。

全体としてバランスが良く、中庸なタイプのソーヴィニヨン・ブラン。シャープすぎず、果実味とハーブ感がうまく調和しているので、料理にも合わせやすい万能なスタイル。強すぎない個性がありつつも、しっかりと存在感を感じさせる仕上がり。参考になった試飲でした。


コンスタンシア・エイトサッフ ソーヴィニヨンブラン 2022 Constantia Uitsig Sauvignon Blanc 【白ワイン】【南アフリカワイン】



アフリカーさんで試飲しました



■店舗名
a2 by af-liquor

■住所
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目6−8 日本橋KSビル 1階

■定休日
月曜日


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南アフリカ ケルヴィン フェク グルナッシュ ノワール 2022をテイスティング

南アフリカのワインです。
ケルヴィン フェク グルナッシュ ノワール 2022をテイスティングしました。

ケルヴィン・フェクはジンバブエ出身の難民で、2017年に南アフリカに移住後、ワイン造りに魅了されました。2018年に初収穫を経験し、現在はエルセンバーグ農業大学でワイン醸造の国家資格を取得するために勉強中。ナット・ファレーワインズの小規模な醸造チームで重要な役割を担い、セラーの運営や意思決定にも積極的に関わっています。この経験を通じて専門知識と自信を身につけ、自らのワインを造る道を切り開きました。

2022年の初リリースはグルナッシュ・ノワール。毎年インターンに来るフランス人学生からローヌ地方の影響を受け、ローヌのブドウ品種が南アフリカの気候に適していることに着目。ローヌスタイルのワイン造りを取り入れながら、南アフリカらしい個性を表現することに成功しています。

このグルナッシュは、ウェリントンのマルムスベリー、シェール土壌にブッシュ・ヴァイン仕立てで植えられています。発酵は自然に行われ、優しく抽出するために手作業でのパンチダウン。ブドウはバスケットプレスされ、マロラクティック発酵はフードルで行い、9カ月間撹拌せずに熟成。

こちらのワインは過去に水天宮前 a2 by アフリカーさんの実店舗で有料テイスティングをしています。

■ケルヴィン フェク グルナッシュ ノワール 2022
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販売価格 3,800円(税込4,180円)

おいしい。

色調はピノ・ノワールを思わせるような薄く繊細なチェリーレッド。
エッジにはわずかにオレンジが入っており、落ち着いた印象を与えます。

香りにはいちごやチェリーのような甘酸っぱい果実香に加え、紅茶やバラの華やかさが感じられます。そこにほんのりと「セリ」のような青いニュアンスが重なり、複雑でフローラルな印象。香りの広がりがあります。

味わいはうすうま系のグルナッシュ・ノワール。果実味はチェリーやいちごが中心で、そこに血肉感やスミレのようなフローラルな要素が重なります。青っぽいニュアンスも感じられますが、果実味とのバランスは悪くなく、飲み口は軽快。タンニンは中程度で、さらっとした口当たりながら、しっかりとした骨格が感じられます。

余韻は短めですが、華やかな果実香とフローラルな印象が心地よく残ります。

若干、セリっぽい青さが気になるものの、それを差し引いてもうすうま系のグルナッシュとして非常に良い仕上がり。産地はウェリントンですがスワートランドを模したつくりかなと。
熟成で大きく変化するタイプではないと思います。早めに飲むのが正解。今のフレッシュ感と華やかさを楽しめる、南アフリカのトレンド感のあるグルナッシュ。とても好印象な一本でした。

おすすめです。


ケルヴィン フェク グルナッシュ ノワール 2022 Kelvin Feku Grenache Noir 【南アフリカワイン】 【赤ワイン】





アフリカーさんで試飲しました



■店舗名
a2 by af-liquor

■住所
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目6−8 日本橋KSビル 1階

■定休日
月曜日


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南アフリカ クリスタルム キュヴェシネマ 2019をテイスティング

南アフリカのワインです。
クリスタルム キュヴェシネマ 2019をテイスティングしました。

クリスタルムはピーター・アラン・フィンレイソン氏が2007年に南アフリカ・ウォーカーベイのヘルマナス地方に設立したワイナリー。実家は「ブシャール・フィンレイソン」で、南アフリカで初めてシャルドネとピノ・ノワールを植えた名門。2008年に初ヴィンテージをリリースし、瞬く間に高評価を獲得。現在はボット・リヴァー地区の「ガブリエルスクルーフ」に拠点を構える。

畑は冷涼な地区に位置し、夏場でも24~25℃程度。個性的な土壌を持つ区画で低収量を維持。サスティナブルな栽培を重視し、自社畑以外でも契約農家と価値観を共有。

ワイン造りは不干渉主義を貫き、野生酵母による自然発酵を採用。シャルドネは全房プレス後11カ月間熟成。ピノ・ノワールはステンレスタンクで発酵し、フレンチオーク樽で11〜16カ月熟成。SO2の使用は最小限で、無濾過・無清澄で瓶詰。生産量は年間3万本程度で、限定流通のため入手困難な人気ワイン。

キュヴェシネマピノノワールは2019。当方の持ってたバックヴィンテージです。70%を全房のまま、残りの30%を除梗し、ステンレス製の開放槽にて31日間野生酵母による自然発酵。その後、ブルゴーニュ産の樽(新樽25%)で11カ月間熟成します。

■クリスタルム キュヴェシネマ 2019
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香りには全房感が強く感じられ、しっかりとした存在感があります。紅茶やムスク、シャボンのような柔らかなニュアンスに加え、梅やラズベリー、チェリーの果実香が広がります。そこに木質的なニュアンスが重なり、複雑で奥行きのあるアロマが印象的。

味わいは酸はそこそこ〜やや低めで、果実の甘みと酸味がバランス良くまとまっています。小豆のような穏やかな甘みと、鉱物的なニュアンスが特徴的。果実味はラズベリーが主体で、そこに少しの青っぽさが加わります。森の香りはなく、むしろジュヴレ・シャンベルタン的なイメージが近い印象。さらに紅茶系のニュアンスが強く、南アのエルギンにありがちなマッシュルームや土っぽい香りは皆無。

産地で言えばドイツに近い雰囲気。ニュージーランドやアメリカのような新世界的な果実感ではなく、フリードリッヒベッカーのワインを思わせるようなスタイルで、むしろブルゴーニュのボーヌ系の村名以上のクラスに近い印象。

余韻はやや短めで、炭や石のようなミネラル感が残ります。青めのニュアンスも最後にほのかに感じられます。

全体的にテンションが高く、このボトルは当たり。梅やラズベリー、そしてセリに近い香りが印象的。まだ1〜2年は発展の余地があり、今後の成長も楽しめそうな一本に思えます。

結論、クリスタルムはボトル個体差が結構ある生産者な気がしてきました。
このワインは当たり。良かったです。






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